XLS-31D とは

XLS-31D とは XRP Ledger (XRPL) 上で AMM (自動マーケットメイカー) をネイティブに実装する提案です。

※ 以前は XLS-30D という型番で提案されましたが改良されて XLS-31D になりました。

既存の XRPL DEX はトレーダーによるマーケットメイクとオーダーブック形式です。
この提案で AMM が実装されることで DEX の流動性にアクセスでき、さらにより良い取引実行を行うことができるようになります。
また、流動性に提供するユーザーには提供したプールが取引が行われるたびに収益として提供としている LP トークン量の値が増加します。

XRPL 上に発行されたトークン (IOU) との流動性プールも可能になっているため、従来の XRP:トークンのペア以外に LOX:FRD といったペアでトークン同士の流動性を提供することができます。

AMM について

AMM (Automated Market Maker:自動マーケットメイカー) は、DeFi (分散型金融) エコシステムの一部です。
従来の売買取引は売り手と買い手が合意した価格で取引 (オーダーブック) が行われていましたが、AMM ではユーザーがプールに預け入れしたぺアの暗号資産 (流動性プール) を使用してシステムの自動化によって取引が行われます。

ざっくり説明すると
– オーダーブックは、 実際に買い手/売り手が参加し、取引価格を提示して同意した価格で取引を行うマッチング形式
– AMM は、流動性プールを使い、自動的に取引を行うマッチング形式

流動性プールについて

流動性プール (Liquidity Pool) は、ユーザーに預けられた暗号資産トークンの集まり (プール) です。
ユーザーがペアとなる 2つの暗号資産を 1:1 の比率となる同額ずつ組み合わせて流動性プールに預け入れることになります。
多くのユーザーから流動性プールに資金を提供することで流動性が高まり、正しい価格で取引を行えるようになります。
流動性に提供したユーザーを流動性プロバイダ (Liquidity Provider) と言います。

LP トークンについて

流動性プールトークン (Liquidity Pool Token) は同等の価値のトークンペアを流動性に預け入れたトークンで LP トークンと呼ばれています。トークンを引き出したいときに所有権を証明するための領収書として機能します。
LP トークンの値は流動性プロバイダのシェア値になっています。

たとえば、XRP: LOX の流動性に暗号資産を預け入れした場合、xLOX トークンが返されます。xLOX トークンは 1:1 の比率でXRP: LOX に提供したことを示すトークンです。
流動性プロバイダを解除する際に xLOX トークンを返すことで 現行価格での 1:1 で XRP と LOX が返却されます。

インパーマネントロス (IL) は LP ポジションに含まれる 2つの暗号資産(トークン)の価格比率が変わり、AMM(自動マーケットメイカー)によりリバランスされた結果、発生する損失のことです。
IL は LPに含まれる 2つの暗号資産をそれぞれのトークンで保有した場合と比較した損失です。

流動性を提供するメリット

AMM を導入するメリットは 2つあります。
1つ目は、人気のあるトークン間で常に交換できるようにすることで XRPL の流動性を向上させること。
2つ目は、不安定な暗号資産を保有することがコスト負荷ではなく、流動性から利益を得ることができるようにすること。

一般的な AMM では流動性を提供することで数料の一部が報酬として支払われますが、XRPL の AMM では「LP トークンの合計値を増加」「スロットオークションによる未処理の LP トークン数を減少」が特典となっています。

参照記事